ワインのコルクについて

最終更新日 2024年11月1日

ワインの栓などに使われるコルクは誰でも一度は目にしたことがあると思います。
このコルクですが、実は非常に古い歴史を持っていて、コルクとして作られるまでに膨大な時間がかかっていることは意外と知られていないのが現状です。

ここではそんなワインに欠かせない存在のコルクについてお話してみたいと思います。

コルクの世界最大の産出国と言えばポルトガルです。
世界で使用されているワインコルクの約半数近くがポルトガルから産出されています。
ちなみに2番目の産出国はスペインになります。

ポルトガル国内の森林面積の約20%を占めめているコルクオークの森林面積ですが、面積は約76万ヘクタールもあります。
また、ポルトガルのコルク産業の経済規模はGNP(国民総生産)の3%にまで達しており、今ではポルトガルの基幹産業のひとつとなっています。

コルクオークの寿命は200年を超えると言われていることを知っていますか?
ワインコルクはじめ、コルクを原料にした製品は、原木を切り倒して作られるのではなく、コルクオークの樹皮をはがし、それを原料に作られるのです。

樹皮がコルクオークからはじめて採取されるのは樹齢が25年以上になってからになります。
その後の樹皮の収穫は9年から10年ごとに行われます。
ですから、1本の木から約15回から20回収穫が出来ることになります。

コルクの木は、樹皮を収穫した後、自分自身で再生するうえ、再収穫まですることができるので、森を守りながら生産し続けられる、コルクは非常に環境に優しくいい素材と言えますね。

コルクの歴史は非常に古く、最も古い記録では紀元前700年前に使用されていたという資料が残っています。
これは、最古の文献にそう記されていただけなので、実際にはもっと古くから使われていた可能性もあると思います。

コルクの持つ機能というのは非常に優れており、液体がこぼれないように栓の役割をするのは当たり前ですが、適度な通気性もあり、腐敗しにくい素材なのです。
つまり、ビンに詰められたワインを長期熟成させるのに最適な役割と言えます。

しかし、コルク自身の乾燥を防ぐために、ワインを長期保存する際にはビンを寝かし、コルクが湿った状態にしておくことが大切です。
こうして作られたコルクは、ワインに貼られたラベルと共に、なくてはならないものになっています。

普段そこまで気にしていなかったであろうコルクに少し気持ちを向けることで、これからワインを飲むとき、今までとまた違った楽しみ方が見つかるかもしれませんよ。