ビジネス」カテゴリーアーカイブ

ゴールドマン・サックス出身コンサルタントが語る、証券会社改革のシナリオ

世界的な金融市場の構造変化が、証券会社のビジネスモデルを根本から揺さぶっています。
これまで大手証券会社は、機関投資家や法人顧客を中心に据えた手数料ビジネスを軸として成長を遂げてきました。
しかし、個人投資家の増加、テクノロジーの進化、そして規制環境の変化が、既存モデルの限界を鮮明にしつつあります。
日本でも同様に、これまでの「仕組み」を保つだけでは継続的な成長が見込めない時代に突入しています。

筆者は、野村證券とゴールドマン・サックスでの長年の経験を経て、現在フリーランスとして証券業界に関する助言と執筆活動を行っています。
ゴールドマン・サックス流の戦略的思考や、各国市場で培われた知見を背景に、これからの証券会社が目指すべき方向性を本記事で指し示したいと考えています。

本記事では、従来のビジネスモデルからの脱却を一つの起点として、個人投資家ニーズを起点とするサービスモデルへの転換、海外事例からの示唆、テクノロジー活用による競争優位確立、そして改革を支える組織文化・コミュニケーション戦略までを幅広く議論します。
この一連の考察を通じ、読者の皆様が、証券会社改革をより明確に理解し、今後どのような行動を取るべきか、具体的な指針を得られることを期待しています。

日本の証券会社の現状と課題

伝統的ビジネスモデルの限界:手数料収入依存からの脱却

日本の証券会社は、長らく株式売買や投資信託販売時の手数料収入に依存してきました。
しかし、近年の競合激化やオンライン証券の台頭、手数料率の低下により、そのビジネスモデルは収益確保が困難な局面に立たされています。
かつては優位性のあった国内投資家向けの新規株式公開(IPO)案件などにおいても、超低金利環境やリスク回避傾向の強い投資家心理が収益源の縮小につながっています。
この結果として、純粋に「売り・買い」の仲介者として機能するだけでは、持続的な成長を確保できない構造的な問題が露わになりつつあります。

マーケット構造の変化と個人投資家層の拡大がもたらす圧力

かつて株式市場は一部の機関投資家が主役でしたが、ネット証券やスマートフォンアプリの普及により、個人投資家の存在感が増しています。
特に、低コストで取引可能な環境が整い始めたことで、ミレニアル世代やZ世代といった若年層が新規参入してきています。
これら新興投資家層は、単なる売買手数料ではなく、

  • 高度な投資情報
  • パーソナライズされた運用アドバイス
  • 簡易で直感的な取引ツール
    などを求め始めています。
    こうしたニーズに応えられない証券会社は競合に顧客を奪われ、市場での存在感が低下するリスクに直面しています。

規制動向と競合プレイヤーの戦略分析

金融庁は、顧客本位の業務運営を促す「フィデューシャリー・デューティー」や、手数料の透明化、情報開示の強化などの動きを加速しています。
これにより、証券会社には従来の手数料ビジネスではなく、顧客利益重視のビジネスモデルへのシフトが求められます。
一方、海外大手プレイヤーや国内外のフィンテック企業は、顧客データを駆使し、ニーズに即応する商品設計やUI/UX改善を進めています。
こうした「データ活用」や「顧客エクスペリエンス向上」の実践例が市場で評価され始め、旧来型の事業者と新興勢力との格差は顕著です。

個人投資家ニーズに応えるサービスモデルへの進化

「顧客本位」を軸とした商品ラインナップ再編とアドバイザリー強化

証券会社に求められるのは、もはや単純な金融商品販売にとどまりません。
「顧客本位」の考え方を軸にした商品ラインナップの見直しは不可欠です。
より長期的な資産形成を志向する個人投資家には、例えば低コストなインデックスファンドや債券ファンド、さらには世界各地域やセクターに分散投資できるETFを提案することが有効です。
これらを丁寧なアドバイザリーサービスでサポートし、顧客が自らの商品選定に迷わぬよう、明確なロジックと説明を提示することが重要となります。

ポートフォリオ・コンサルティングによる差別化戦略

個別株式や投資信託の販売から一歩進み、トータルなポートフォリオ・コンサルティングを提供することで、顧客との長期的な関係を築く戦略が求められます。
顧客のリスク許容度、ライフステージ、投資目的などを踏まえ、アセットアロケーションを提案し、定期的なリバランスを支援します。
このような包括的アドバイスは、単なる取引仲介から「資産づくりの伴走者」へと証券会社を変革し、他社との明確な差別化を実現します。

投資教育・情報提供による長期的関係性構築

情報過多の時代、顧客は正確で信頼性のある情報源を求めています。
証券会社は、定期的なセミナーやオンライン教材、データ分析レポートなどを通じて、顧客が自ら学び、考え、行動できる環境を提供するべきです。
特に、若年層投資家には、基本的な投資理論やリスク管理手法、グローバル市場動向などを体系的に学べる機会を提供することが効果的です。
知識を深めた顧客は、証券会社への信頼感をより一層強め、結果として長期的な顧客ロイヤルティを獲得できます。

また、国内の先進的なプレイヤーの一例として、JPアセット証券などが積極的な情報発信や顧客エンゲージメント向上策を通じ、投資家教育に注力する流れが見られます。

海外事例と国内適用への示唆

米国大手証券会社の対個人戦略:低コスト&ハイタッチ・ハイテクの融合

米国では、ゼロコミッション(取引手数料ゼロ)を掲げ、投資ハードルを極限まで下げる証券会社が数多く登場しています。
顧客はオンライン上で格安のインデックスファンドやETFに容易にアクセスできる一方、チャットボットや24時間体制のコールセンターを通じて、必要な時に人間のサポートを受けられます。
まさに「低コスト」と「ハイタッチ」、「ハイテク」を三位一体で提供することで、顧客満足度と資産獲得力を同時に向上させているのです。

欧州・アジアの視点:地域特性を活かした差別化戦略

欧州ではESG(環境・社会・ガバナンス)投資がトレンドとなり、顧客は「社会貢献」も投資基準に組み込みます。
一方、アジア市場では、急増するモバイルユーザーに向け、スマートフォン1台で完結する手軽な投資体験が重視されています。

こうした地域特性を踏まえると、グローバル展開を志す場合は「平均的ニーズ」を狙うのではなく、「その土地ならではの価値観」に沿ったサービス提供が求められます。

以下は、主要地域で求められる特徴的な戦略を簡潔にまとめた表です。

地域主要ニーズ戦略例
米国低コスト×ハイタッチゼロコミッション商品、24/7サポート
欧州ESG重視・社会貢献ESG投資信託、レポーティング強化
アジアモバイル完結型スマホアプリ特化、直感的なUI/UX

ローカライズの鍵:課題と解決手法をデータと現場感覚で紡ぐ

海外で成功したビジネスモデルをそのまま国内に持ち込むだけでは不十分です。
日本の投資家は、税制、文化的背景、金融リテラシーが海外とは異なります。
そのためには、ローカル規制への的確な適応、顧客属性データの精緻な分析、そして現場感覚を持つスタッフとの緊密な連携が必須となります。

たとえば、以下のような「データドリブン」かつ「現場対応」型の取り組みが考えられます。

[シナリオ例]
1. 国内顧客データを分析し、取引回数・年齢層・投資経験別にセグメント化
2. 各セグメント別に提供する商品ラインナップや情報発信チャネルを最適化
3. 定期的なアンケートや顧客インタビューで、満足度や課題点をフィードバックループに組み込み、柔軟に戦略を微調整

このような細やかなローカライズ戦略こそ、海外事例を国内で最大限に生かす原動力となり得ます。

テクノロジーによる改革の可能性

フィンテック活用:ロボアドバイザー、AIツールによる効率化

ここ数年、フィンテックと呼ばれる新たな潮流が証券会社を取り巻く環境を大きく変えています。
ロボアドバイザーは、顧客が入力したリスク許容度や投資目的に応じて自動的に資産配分を行い、煩雑な商品選定プロセスを大幅に簡略化します。
加えて、AIツールは過去の市場データや経済指標を分析し、ポートフォリオ最適化や先行きシナリオのシミュレーションをサポートします。

このようなテクノロジー導入により、担当者一人ひとりが顧客固有のニーズに即応しやすくなり、より迅速で的確な提案が可能となります。

データドリブン戦略で顧客行動を先取りする手法

証券会社が蓄積する顧客データは、投資履歴、保有資産構成、トランザクション頻度、経済ニュース閲覧履歴など、多岐にわたります。
この膨大なデータを活用し、顧客が求める情報や商品を先回りして提示する「データドリブン戦略」が有効です。

以下は、データ活用の一例です。

  • 顧客行動パターン分析
    顧客の過去購入履歴や閲覧コンテンツから、次に購入しそうな商品や求めている投資テーマを推定。
  • パーソナライズ通知
    顧客の投資方針に合った市場ニュースやセミナー情報を、自動的にスマートフォンへ通知。
  • リアルタイムフィードバック
    チャットボットが顧客の質問に応答し、興味関心を即時に反映したレコメンドを提示。

このサイクルを繰り返すことで、顧客が自身のニーズに気付く前から、最適な情報や提案を届けることが可能となります。

セキュリティ強化や規制対応を支える最新テクノロジー

テクノロジー活用の拡大とともに、サイバーセキュリティ対策規制対応もより複雑化します。
顧客データ保護には、多層的な暗号化手法や生体認証、AIによる不正取引検知といった高度なテクノロジーが不可欠です。
また、新たなフィンテックサービスが登場するたびに、法令やガイドラインへの対応が求められます。
クラウドベースのレギュラトリー・テック(RegTech)ツールは、最新の法規制変更を迅速に組織内へ反映する仕組みを提供し、コンプライアンスコストの削減に寄与します。

こうした最新技術の活用により、証券会社はリスクを最小限に抑えつつ、顧客保護を強化し、透明性の高いビジネス運営を実現することが可能となります。

ステークホルダーを巻き込む改革プロセス

多層的な意思決定プロセスで、外部・内部の知見を結集

証券会社改革を成功へ導くには、経営陣現場社員顧客規制当局、さらにはテクノロジーパートナー学術界など、多様なステークホルダーの視点をバランス良く取り込むことが肝要です。

  • 経営陣:長期戦略とビジョンを提示し、組織全体に方向性を示す。
  • 現場社員:顧客ニーズや問題点を最前線からフィードバックし、改革案を現実に適用可能な形へブラッシュアップ。
  • 顧客:コミュニティ運営やオンラインアンケートを通じて、新サービスへの要望や改善点を率直に発信。
  • 規制当局:適正なルール形成と新サービスの早期承認で、市場健全性とイノベーションを両立。
  • テクノロジーパートナー・学術界:最新のフィンテック動向や研究成果を提供し、改革の「次の一手」を示唆。

たとえば、下記のようなフローで多層的な意思決定を行うことが考えられます。

[ステークホルダー巻き込み例]
顧客アンケート → 顧客ニーズ抽出 → 社内ワーキンググループで検討 → 
外部専門家(学者・技術者)とのブレーンストーミング → 経営陣が戦略的投資を決定 → 規制当局へ事前相談と了承

挑戦と学習を促すイノベーション文化

新しい時代の証券会社には、「失敗しても学び、次へ進む」文化が必要です。
言い換えれば、社員が自由にアイデアを出し、テストし、改善できる環境こそが、顧客価値の創造源となります。

  • アイデア応募制度:社員が自発的にプロジェクト提案できるオンラインプラットフォームを用意。
  • 少人数実験チーム:社内から選抜されたメンバーが、新商品や新機能を短期間で開発・検証。
  • 評価指標の多角化:売上だけでなく「顧客満足度向上」「エンゲージメント拡大」「社内ノウハウ蓄積」など、幅広い観点から成果を評価。

こうした仕組みは、社員一人ひとりの創造性を引き出し、外部環境の変化に迅速に対応できる組織体質を育みます。

「改革のストーリー」を共有するコミュニケーション戦略

大きな変革には、「なぜこれを行うのか」「どのような未来が待っているのか」という分かりやすいストーリーの提示が欠かせません。
内部向けには、定期的なタウンホールミーティングや社内SNSで進捗を共有し、成功事例やチャレンジ事例をオープンにすることで、組織内に応援と理解を醸成します。
外部向けには、インフォグラフィックや短編動画、わかりやすいQ&Aを通じて、顧客や投資家が変革の意義やメリットを瞬時に把握できる工夫を凝らします。

ポイント

  • 短い動画で改革コンセプトをビジュアル化
  • インフォグラフィックで複雑な戦略を視覚的に整理
  • Q&Aコンテンツで顧客疑問を即時解決

このように、改革そのものを「物語」として共有すれば、理解・共感が深まり、ステークホルダー全体が改革への当事者意識を高めることが可能になります。

まとめ

世界的な金融環境変化や技術革新、そして個人投資家の台頭によって、従来の証券会社ビジネスモデルは大きな転換点を迎えています。
手数料ビジネスへの過度な依存から脱却し、顧客本位のサービスモデルやテクノロジーを駆使した情報提供、グローバル事例を活用した戦略転換といった総合的な変革が不可欠となっています。

本記事で見てきたように、

  • 顧客ニーズに応える商品再編
  • 海外成功モデルのローカライズ
  • ロボアドバイザーやAI分析による効率化
  • 多様なステークホルダー巻き込みによる意思決定と文化醸成
    といった取り組みは、単なる「改革」ではなく「新しい金融エコシステム」を築くための鍵となります。

この変革を進める中で、証券会社には「顧客中心主義」という揺るぎない指針が求められます。
顧客の長期的な資産形成に貢献し、その結果として企業価値が向上することで、証券会社は再び金融市場での存在感を取り戻すでしょう。

読者の皆様には、今後、証券会社がどのような形で未来を創るのか、その過程を積極的に観察し、必要に応じて行動に移していただきたいと思います。
これは、投資家、経営者、そして市場参加者全員が「次世代の金融」を共に育む機会なのです。

グループ企業におけるDXの盲点:経営コンサルタントが警鐘を鳴らす3つの落とし穴

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、もはや企業の選択肢ではなく必須の経営課題となっています。

しかし、日本の大手企業グループの多くは、その推進において重大な構造的課題に直面しているのが現状です。

私は30年以上にわたり、野村総合研究所のアナリストとして、また経済産業省の政策立案者として、日本企業の変革に携わってきました。

その経験から、特に企業グループにおけるDXの推進には、単独企業では見られない独特の困難が存在することが明確になってきています。

本稿では、私の実務経験と最新の調査データに基づき、グループ企業のDXが直面する3つの重大な落とし穴について警鐘を鳴らしたいと思います。

これらの課題を理解し、適切に対処することは、日本企業の国際競争力を維持・向上させる上で極めて重要な意味を持つと考えています。

グループ企業特有のDXの複雑性

親会社と子会社間のデジタル戦略の齟齬

グループ企業におけるDXの最大の特徴は、その複雑な意思決定構造にあります。

この課題は、新興企業グループだけでなく老舗企業グループでも同様に見られます。

高橋洋二会長率いるユニマットグループのような総合サービス企業でも、デジタル戦略の統一には様々な取り組みが必要とされています。

私が野村総研時代に実施した調査では、親会社と子会社のデジタル戦略の方向性が一致していないケースが全体の67%に上ることが判明しました。

例えば、ある製造業大手グループでは、親会社が推進するクラウドファースト戦略に対し、基幹系システムを持つ子会社が強い抵抗を示すという事例がありました。

このような齟齬は、単なる技術的な問題ではなく、組織の在り方そのものに根差した本質的な課題といえます。

では、なぜこのような状況が生まれるのでしょうか。

システム統合における「見えない抵抗」の実態

システム統合における「見えない抵抗」は、表面化しにくい組織的な課題です。

私の経験では、この抵抗は主に以下の3つの形で現れます:

抵抗の形態具体的な事例影響度
消極的な情報共有必要最小限の情報提供に留める
技術的な障壁の強調既存システムとの互換性問題を過度に強調
予算配分の細分化統合プロジェクトの予算を意図的に分散

特に注目すべきは、これらの抵抗が必ずしも悪意から生まれているわけではないという点です。

むしろ、各社の事業継続性や既存システムへの投資を守ろうとする「善意」から生まれている場合も少なくありません。

野村総研時代の調査から浮かび上がる組織的課題

野村総研在籍時の2003年、私は日本の主要企業グループ50社を対象とした大規模調査を実施しました。

この調査で明らかになったのは、グループ企業のDXにおける組織的課題の普遍性です。

調査結果が示すように、グループ企業の84%が「デジタル戦略の統一的な推進」に困難を感じていると回答しています。

特に印象的だったのは、ある大手商社グループのケースです。

親会社がグローバルなデジタル基盤の構築を目指す一方で、各事業会社は独自の業務プロセスを守ることに注力し、結果として莫大な重複投資が発生していました。

このような事例は、グループ経営における「全体最適」と「個別最適」の難しいバランスを如実に示しています。

さらに、この調査では興味深い相関関係も見出されました:

  • デジタル戦略の一貫性が高いグループほど、全体の収益性が高い
  • 子会社の自律性が高すぎるグループでは、システム投資の重複が顕著
  • グループ全体のガバナンス体制が確立している企業ほど、DXの進展が早い

第一の落とし穴:グループガバナンスの機能不全

デジタル投資における意思決定の分断

グループガバナンスの機能不全は、DX推進における最も深刻な課題の一つです。

経済産業省在籍時に私が関わった調査では、グループ企業の73%がデジタル投資の意思決定プロセスに問題を抱えていることが判明しました。

典型的な例として、ある大手電機メーカーグループの事例が挙げられます。

親会社のCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)が推進するクラウド移行計画に対し、各事業会社が個別の判断で異なるクラウドベンダーと契約を結んでしまい、結果として統合が極めて困難な状況に陥りました。

このような事態が発生する背景には、以下のような構造的な問題が存在します:

課題領域現状の問題点想定される影響
意思決定権限不明確な権限委譲投資の重複・遅延
投資基準グループ共通基準の欠如非効率な資源配分
評価指標個社単位の評価偏重全体最適の軽視

系列取引がもたらすベンダーロックイン問題

日本の企業グループに特徴的な系列取引は、DXにおいて予想以上の足かせとなっています。

私が野村総研時代に分析した事例では、グループ内IT企業との取引が全IT投資の60%以上を占めるケースが多く見られました。

この状況は、以下のような問題を引き起こしています:

  • 最新のデジタル技術導入の遅れ
  • 外部ベンダーとの健全な競争機会の損失
  • イノベーション創出の機会損失

特に印象的だったのは、ある商社グループでの出来事です。

グループ企業のIT子会社が提供する旧来のシステムへの依存度が高く、クラウドネイティブな環境への移行が著しく遅れ、結果として国際競争力の低下を招いていました。

海外グループ企業との統合システム構築の陥穽

グローバル展開を進める日本企業グループにとって、海外子会社とのシステム統合は避けて通れない課題です。

経産省での政策立案経験から、私は以下のような典型的な失敗パターンを確認してきました:

  • 日本本社主導の一方的な統合推進
  • 現地の業務慣行への配慮不足
  • コミュニケーション不足による要件定義の齟齬

これらの問題に対する解決策として、段階的統合アプローチの有効性が確認されています。

第二の落とし穴:人材育成・配置の硬直性

終身雇用制度下でのDX人材育成の限界

日本型雇用システムの特徴である終身雇用制度は、DX人材の育成において独特の課題を生み出しています。

私のコンサルティング経験では、以下のような状況が頻繁に観察されます:

課題従来型組織の特徴DX推進における問題点
キャリアパス年功序列重視専門性の評価が不十分
人材育成OJT中心最新技術習得の機会不足
評価制度長期的な貢献度重視イノベーション創出の評価が困難

グループ内転籍・出向がもたらす知識移転の停滞

グループ企業における人材の流動性は、一見高いように見えて、実は極めて限定的です。

私が経験した具体的な事例では、ある製造業グループにおいて、デジタル人材の最適配置が進まず、以下のような問題が発生していました:

  • 高度なデジタルスキルを持つ人材が特定の子会社に偏在
  • グループ全体での知識共有機会の不足
  • デジタル人材の育成プログラムの重複投資

先進事例:グローバル企業の人材戦略との比較

対照的に、グローバル企業の事例から学ぶべき点は多々あります。

例えば、シーメンスやGEといった企業グループでは、以下のような施策を展開しています:

  • グループ横断的なデジタル人材プール制度
  • 専門性に基づく報酬体系
  • オープンな社内公募制度

これらの施策は、日本企業グループにも十分に適用可能です。

ただし、その導入には慎重な検討と段階的なアプローチが必要となります。

私の経験では、まず小規模なパイロットプログラムから始め、成功事例を積み重ねていくアプローチが最も効果的です。

第三の落とし穴:グループシナジーの誤認

デジタル化で顕在化する重複投資の実態

グループシナジーという言葉は、経営者の間で頻繁に使用されますが、デジタル投資における現実は厳しいものです。

私が最近実施したコンサルティング案件では、ある大手製造業グループにおいて、驚くべき事実が明らかになりました。

グループ内の異なる事業会社が、実質的に同じ機能を持つデジタルプラットフォームに対して、それぞれ数十億円規模の投資を行っていたのです。

このような重複投資の背景には、以下のような構造的な問題が存在します:

投資領域重複の実態想定される損失規模
基幹システム類似機能の並立年間10-20億円
データ基盤重複したデータレイク構築年間5-10億円
顧客管理系複数CRMの運用年間3-5億円

共通基盤構築における「総論賛成・各論反対」の罠

「総論賛成・各論反対」という現象は、日本の企業文化において特に顕著に表れます。

私が経産省時代に関わった政策研究では、この現象が特にデジタル投資において深刻な影響を及ぼすことが判明しました。

典型的な例として、あるサービス業大手グループでは、以下のような状況が発生していました:

  • グループ共通のデータ基盤構築に「賛成」の意思表示
  • しかし、具体的な統合計画では各社が個別の要件を主張
  • 結果として、プロジェクトの遅延と予算超過が発生

経産省での政策立案経験から導く処方箋

経産省在籍時の政策立案経験から、私は以下のような対応策が有効であると考えています:

  • 明確なガバナンス体制の確立:グループCDOの権限強化と投資基準の統一化、KPIの標準化を進めることで、一貫した意思決定プロセスを実現します。
  • インセンティブ設計の見直し:グループ全体最適に基づく評価制度を導入し、デジタル投資の効果測定基準を統一します。また、共通基盤の活用度を経営評価に組み込みます。
  • 段階的アプローチの採用:パイロットプロジェクトによる成功事例を創出し、それをベストプラクティスとして水平展開します。定期的な進捗レビューにより方向性を調整します。

DX成功に向けた構造改革の道筋

グループ全体最適を実現するガバナンスモデル

私のコンサルティング経験から、効果的なグループガバナンスモデルには以下の3つの要素が不可欠だと考えています:

  • 権限と責任の明確化:グループDX戦略委員会を設置し、投資決定プロセスを一元化します。また、効果的なモニタリング体制を確立します。
  • 経営指標の統合:デジタル成熟度評価を導入し、ROI基準を統一化します。さらに、非財務指標を体系的に活用していきます。
  • コミュニケーション構造の確立:定期的な戦略レビュー会議を開催し、ベストプラクティスを共有する場を設けます。また、課題解決のための横断的なタスクフォースを組織します。

デジタル時代の新たな系列関係の構築

従来の系列関係は、デジタル時代において大きな転換を求められています。

私が提唱する新たな系列関係のモデルは、以下のような特徴を持ちます:

  • オープンイノベーションの促進
  • 外部ベンダーとの戦略的パートナーシップ
  • グループ内IT企業の役割再定義

実践的アプローチ:段階的な組織変革のロードマップ

組織変革は、一朝一夕には実現できません。

私の経験から、以下のような段階的アプローチを推奨します:

フェーズ主要タスク期間重要成功要因
準備期現状分析・戦略策定3-6ヶ月経営層のコミットメント
導入期パイロットプロジェクト実施6-12ヶ月早期の成功事例創出
展開期全社展開・制度化12-24ヶ月変革の定着化

まとめ

これまで述べてきた3つの落とし穴は、いずれも日本の企業グループに特有の課題から生まれています。

しかし、これらの課題は適切な対策を講じることで、必ず克服することができます。

具体的な対応策として、以下の3点を特に強調したいと思います:

  • グループガバナンスの再構築:デジタル投資の意思決定プロセスを一元化し、評価基準を明確化・統一化します。
  • 人材育成・配置の柔軟化:グループ横断的な人材プールを形成し、専門性に基づく評価制度を導入します。
  • 実効性のあるシナジー創出:重複投資を徹底的に見直し、共通基盤を段階的に構築していきます。

最後に、経営者の皆様へのメッセージとして一言申し上げたいと思います。

DXは単なるデジタル化ではなく、グループ経営そのものの変革の機会です。

この機会を活かし、真の競争力を獲得するためには、従来の慣行や制度に対する大胆な見直しが必要です。

その過程では確かに困難や抵抗に直面するでしょう。

しかし、適切な戦略と段階的なアプローチを採用することで、必ずや道は開けると確信しています。

【ブラニュー】建設業界でDXを適用する際の様々な問題と今後の展開

「建設業界のDXについて考えている」
「ブラニュー株式会社のDXの取り組みを知りたい」
「ブラニュー株式会社の評判が気になる」

DXは経済産業省がデジタル化の普及と業務の効率化を見据えて提言しているものであり、近い将来様々なビジネスがデジタルの仕組みによって効率化されるとともに、様々な変化を遂げることを示唆しています。
これまでデジタルシステムの普及により多くの業界でその機能を導入した業務効率化が行われてきましたが、そのほとんどはデジタルシステムを利用すること自体が目的となってしまっていた感があり、本来の業務効率化に結びつかないと言う例も少なくありませんでした。
DXはこれらの問題点を根本から改善し、業務のあり方とデジタルシステムのメリットを生かすと言う意味で非常に重要なものとなっています。

建設業界へのDX導入をブラニュー株式会社はどう見る?

しかしその中で今後の展開で疑問視されているのが、建設業界へのDX導入です。
建設業界はこれまでその業務の特殊性からデジタルシステムが普及しにくい業界と言われており、実際に多くの業界が様々なシステムを導入している中で、従来のような職人のカンや様々な経験値で業務が運用されている部分があり、非常に特殊な分野となっていました。
特に現場での仕事が非常に多いため高度なデジタルシステムが導入しにくいことや、これまで多くの職人が自分自身の経験と知識を生かした業務を行うことを誇りとしていたことから、デジタルによってその経験値が画一化されることに抵抗を感じていたと言う面も否めません。
建設業界での基本的な仕事の進め方は、現場での状況に応じて適切な判断を行い、その判断に基づいて作業を進めると言うケースが多いのが特徴です。
様々な現場の状況を理解できるのはその経験を積んだ職人だけであり、その職人の判断によって様々な工程等が決定されることが多いのが実態です。
そのためその部分に様々なデータを利用したデジタルの仕組みによる判断は様々な問題が生じる危険性があり、経験者にとってはそのリスクを重要視すると言う傾向がありました。
実際に自然環境等はこれまでの様々なデータの蓄積からは推し量ることができないような状態に至ることもあり、これを回避するためには数多くの現場での経験値が非常に有効なものと評価されている面があります。
そのためこれまで様々な会社がこの業界に向けたシステムを開発し発表していますが、実際に有効に活用されている例は非常に少ないのが実態です。

DXの導入が経済産業省により加速されている要因

DXの導入が経済産業省により加速されている要因は、今後様々な入札業務の条件などにこの内容が含まれる可能性があることを示唆しています。
これまでは様々な企業が入札を行う際にその具体的な内容を役所が把握することができず、入社後に様々なトラブルが発生することも少なくありませんでした。
実際にその工事を受注する力量がないのに入札を行い、これによって工事の途中で様々な問題が発生し頓挫してしまうと言うことも多いのが実態です。
しかしDXを導入することによって業務の進め方などを客観的に判断することができ、これにより単純に金額だけではなくその企業の技術力を客観的に判断することができるのが特徴です。
そのため積極的にデジタル技術による入札の仕組みも整備され始めており、これに対応する能力を持っていないと入札そのものができなくなってしまうと言う問題があるのです。

建設業界でも積極的にデジタル化を進めようとする動きが強まっている

近年では、建設業界でも積極的にデジタル化を進めようとする動きが強まっており、様々なところで効果を発揮しています。
その一つが、能力の高いパートナー企業を見つけるためにこの技術を利用したマッチングシステムです。
建築作業では様々な工事を行う際に1社だけでその全てを完結することができる場合は少なく、自らの企業が保有していない技術をサポートしてくれるパートナー企業を探してその工事を一緒に行うことが一般的です。
しかしこれまでは取引の実績や様々な有名企業等の紹介によってこのパートナー企業を探すと言うことが多く、そのためにその候補が限られてしまうと言う問題がありました。
より高い技術を持った企業の能力を有効に生かすことができず、場合によっては仕事を獲得するチャンスを失ってしまうことも多かったものです。
企業のマッチングシステムでは様々な会社が自らの技術力やその作業実績などを公開することによって、システムで必要な技術を持った企業を簡単に検索することができるものとなっています。
数多くの企業の中から自分の目的に合った技術力を持つところを簡単に見つけることができるため、近年では非常に広く利用されているシステムとなっているのが特徴です。

まとめ

デジタル技術を導入することで仕事の進め方そのものが変更させられてしまうと言う懸念を持つ人が多く、またこれまでITシステム導入の際にその業務の進め方が大きく変化し、システムでの効率化を上回るデメリットが発生するといった例も少なくありませんでした。
しかし今後は業務の進め方から必要な技術を選んで導入する時代となっており、これを十分に行うことによって効率化を図ることができるのがポイントとなっています。

参考:ブラニュー株式会社採用

大成建設は建築業界をリードしています

大成建設は建築業界において、さまざまなサービスを提供しています。
大成は創業者である大倉喜八郎の戒名にちなんでおり、大成の文字は孟子万章下篇からとられました。
集大成の意味があり完全に成し遂げることやたくさんのものを集めたり作りあげるなどの意味があります。
大成建設ではコーポレートシグネチャーとしてシンボルマークを制定しており、ビジュアル・アイデンティティ活動を開始しました。
シンボルマークを社章にしており、さまざまな事業を展開しています。

日本全国においていろいろな建築工事や土木工事などを行う

日本全国においていろいろな建築工事や土木工事などを行っており、機器装置の設置工事や建設工事全般に関する企画に協力することが可能です。
建設業界におけるマネジメントやコンサルティングにも対応しており、地域開発や都市開発に貢献しています。
海洋開発や資源開発にも協力しており、海外でのエネルギー供給や排出権取引などをサポートすることが可能です。
さまざまな道路や鉄道、港湾や空港に関係する工事に着手しており、河川施設や上下水道作業にも対応することができます。
公共施設やこれらに準ずる施設などの企画や設計を行っており、気軽に相談することができる企業です。
民間施設などもサポートしており、これまでいろいろなホテルやスポーツ施設、レクリエーション施設などを実現してきました。
いろいろな建設工事用機械器具や資材の製作、売買や仲介なども行っており、建物や構築物、土木工作物など関する診断にも対応することが可能です。
コンピュータを活用した情報処理やソフトウェア開発にも力を入れており、労働者派遣事業など幅広く展開しています。

さまざまなトンネルや橋梁など社会資本整備を通じて発展を支えてきた

大成建設はこれまで安全安心な暮らしを守るため、さまざまなトンネルや橋梁など社会資本整備を通じて発展を支えてきました。
近年次世代建設生産システムを確立しており、土木工事におけるICT施工を普及したり土木工事現場における施工品質や生産性向上を図っています。
ダムや鉄道、高速道路など土木工作物の建設工事に対処することができ、環境やエネルギー問題、構造物の長寿命化などにも取り組んでいます。
安全安心で快適性や利便性向上など、さまざまなニーズに合致したあらゆる建築物に対応することが可能です。
いろいろな機器を使って、クライアントの満足度向上に取り組んでいます。
例えば小径強力バイブレータの場合、狭隘な高密度配筋部を締固めることができ、コンクリートの確実な充填性を維持することが可能です。
鉄筋間隔やかぶりなどが30mmという狭隘な間隔でも挿入することができ、締固め有効範囲が通常の小径バイブレータと比較すると1.5倍広くとれます。
突起部がないのでスムーズな出し入れができます。

コンクリート構造物の塩害などによる劣化予測技術を利用することができる

コンクリート構造物の塩害などによる劣化予測技術を利用することができ、コンクリート構造物の劣化について予測することができたり、耐久性設計にも利用することが可能です。
コンクリートのひび割れの進展を見ることができたり、鋼材腐食進展の相互作用などを考慮した構造や鋼材腐食連成解析手法などによって、コンクリート構造物での劣化を予測できます。
塩害を受けた鉄筋コンクリート構造物を計画的に管理することによって、ライフサイクル・コストの費用ダウンに繋げることが可能です。
コンクリート構造物の塩害被害は国内で問題になっており、維持管理が求められています。
構造物の劣化進行を予測するため、ひび割れ進展や鋼材腐食進展などの作用を考慮した解析手法を利用することが可能です。
鋼材腐食解析の場合マクロセル腐食などをモデル化しており、ひび割れ状況による腐食因子の塩化物イオン拡散係数を変化し、劣化する過程において発生する腐食ひび割れの影響を考慮することができます。

高性能流動化コンクリートであるT‐エルクリートを採用

高性能流動化コンクリートであるT‐エルクリートを採用しており、粉末パックの後添加を使ってコンクリートの施工性をアップすることができたり高品質な躯体を実現することが可能です。
高品質な鉄筋コンクリートによる構造物の躯体を構築することができ、JISで規定している汎用的コンクリートを対象としながらさまざまな工事現場に適用することができます。
鉄筋コンクリート構造物の場合密実な躯体を構築するため、流動性の高いコンクリートの活用方法は効果的です。
現場において混和剤を後添加することによって、十分流動性を簡単に得られる高性能流動化コンクリートを実現しました。
流動化剤や増粘剤などを併用することにより、コンクリートの材料分離が生じることなく高品質な流動性を提供することが可能です。
一般的な液体混和剤ではなく粉末の混和剤を使っているので、コンクリート強度に影響を及ぼす水量を変化させません。
建築材料耐火性能確認実験技術を採用しており、小型加熱炉を用いて耐火性能を評価しています。
壁部材や目地材の耐火性能などを評価することができ、低コストで実験することが可能です。

まとめ

部材などバリエーションの比較に効果があり、実大実験と比較すると試験費用が安く、たくさんの実験を効率的に実施することができます。
比較試験に最適で、耐火構造取得に向けて基準を設置する実験に最適です。

エンジェル投資家の選び方でビジネスの成否が決まる

エンジェル投資家は自分で事業を興そうとする人にとって、非常に頼りになる存在です。
事業を立ち上げるためにはそれなりの資金が必要となりますが、初めてこれを行おうとする人の場合にはその実績もなく、またビジネスの成功の確率を描くことも難しいため、金融機関から融資を受ける事は非常に難しいものとなります。
そのような中で投資を行ってくれる増田裕介氏のようなエンジェル投資家は、非常に頼りになる存在となっています。

日本にも様々なエンジェル投資家が存在している

最近では日本にも様々なエンジェル投資家が存在しており、彼らは多くの事業に出資をしているため非常に利用しやすいと感じることも少なくありません。
しかし、彼らの投資を受ける場合にはその後の様々な展開を十分に予測するとともに、自分自身のビジネスの方向性をしっかりと見据えてこれに協力してくれそうな相手を選ぶことが重要なポイントとなります。
投資家の多くは最終的には自分自身に利益をもたらすことを目的としており、そのことを十分に意識しなければなりません。
しかしその考え方はそれぞれの人によって全く異なり、実際にビジネスがスタートした段階でこれらが大きな影響を及ぼしてくるものです。
そのため単純に出資をしてくれると言う事だけで受け入れるのではなく、その人の本来の目的を十分に知る努力をすることが必要となります。

エンジェル投資家を利用するための重要なポイント

反社会勢力ではないことを見極めておく

エンジェル投資家を利用するための重要なポイントは、まずは反社会勢力ではないことを見極めておくことです。
最近では暴対法などが非常に厳しくなり、反社会性力である場合には様々な点で自分の事業が問題を生じることになります。
まず事業を進めていく上で取引先を決めなければなりませんが、取引先もこちらに対して十分な調査を行うことになるため、この時点で問題を生じると感じた場合には取引を行う事はありません。
また事業をステップアップさせるためには公的資金や様々な支援制度を利用することも良い方法ですが、このような場合でも審査で落ちてしまうことになるため、事業を進めることができなくなるリスクが高いものとなります。

投資家の性格も十分に見極めることが重要

次に、投資家の性格も十分に見極めることが重要です。
投資家には大きく分けて3つの事業への関わり方があり、1つは積極的に事業の方向性に介入する場合と、全く放置する場合、そして必要な時に適切にアドバイスをしてくれる場合です。
理想的な関わり方は必要に応じてアドバイスをする形ですが、投資家の多くは自分の利益を追求するため客観的に明らかに方向性が異なっている場合には口出しをしたくなることも少なくありません。
また一からその事業を自分のものにしようとする場合もあるので、この場合には事業を乗っ取られてしまうこともあるので注意が必要です。
これを防ぐためには投資を受ける時点で様々な関わり方を事前に文書で取り交わすことが必要となります。
近年ではあらかじめ関わり方を公開している投資家も多く、また実際に投資をする場合にはこれらの関係を文書で契約書の形で取り交わすと言うことも多くなってきました。
契約書を取り交わしておくことで様々な関係の悪化を事前に防ぐことができるほか、万が一トラブルが発生した場合には公的機関による判断を仰ぐことも可能です。
最低限このようなポートフォリオを事前に提示する相手を選ぶことが非常に良い方法となります。

ビジネスの進め方に関する知識や経験を持っている

さらに、ビジネスの進め方に関する知識や経験を持っていることも、重要な条件となっています。
エンジェル投資家の多くは自ら事業を立ち上げて成功させ、これで得た利益を投資に回していると言う人が少なくありません。
このような人の場合には必要以上に事業に口出しをしてくるのではないかと言うリスクもありますが、実際に口出しをしてくる人の多くは実は自分自身で事業を行ったことがない場合が多いものです。
その大変さを経験している場合にはある程度は創業者の意思に任せ、必要に応じて適切なアドバイスをするということが少なくありません。

性格

最後に最も重要なのは、その性格です。
コミュニケーション能力を備えているかによって意思疎通を図ることが可能かどうかが変わるため、ビジネスを進めやすくなる事は間違いありません。
特にこれまでにない新しいビジネスを作り出そうと言う場合には、投資家自身にもその成功の可能性がわからないと言うことも多いものです。
しかしこれを成功させるために積極的に金銭面で関わりたいと言う人も多いため、その際にはお互いに意思疎通を図りながらより良い進め方を模索することも必要ですが、コミュニケーション能力が不足している場合にはこのような意思疎通を図ることができません。
また場合によっては様々なトラブルを生み出す要因となることもあるため、この点も十分に注意をしたいものです。

まとめ

エンジェル投資家は授業を興そうとする人にとっては非常にありがたい存在となる反面、その選び方を間違うと効率的な進め方をする上での足かせとなることも少なくありません。
そのため、事前に十分に様々なポイントを確認し、単に資金を提供してくれるだけではなく、ビジネスパートナーとなり得る相手を選ぶことが重要なポイントです。